2014年02月25日

Posted by goodbooks
at 21:08

構造化知識研究所

SSM(構造化知識研究所)

SSMによる構造化知識マネジメント ― 設計開発における不具合防止に役立つ知識の構築と活用
  田村泰彦(著)/日科技連出版社/184ページ

著者は、構造化知識研究所の田村泰彦氏です。SSM(ストレス-ストレングスモデル)という名前は、最近聞くようになりましたが、不具合の知識を構造的に表現するためのモデルだそうです。未然防止や再発防止って、考え方とか進め方・技法の本が多いけど、この本は知識そのものの構造やあり方に着目している点が特徴的です。

SSMに関するはじめての専門書だそうで、構造化知識の作り方や活かし方について、製品設計や製造工程設計などに分けて解説されています。具体例が結構多いので、自分も知っている知識があったりすると、親しみ(?)がわきます。

この本は、同氏の著書「トラブル未然防止のための知識の構造化―SSMによる設計・計画の質を高める知識マネジメント」よりも詳しくSSMについて解説されているようです。

構造化知識って大事ですね。品質問題から教訓を得るときに、SSMや構造化知識の考え方を知っておくと、教訓の内容がだいぶ良くなるように思います。

実際、文書情報の寄せ集めでは役に立たないことが多いです。様々な種類の情報を重要度や意味によって分類したり、情報同士の間に「事実と推測」や「原因と結果」などの関係を見出したりする作業が、事故の再発防止には欠かせません。情報を論理的に整理する。それが構造化というプロセスの肝になるかと思います。

情報を構造化知識にすれば、より正しい判断や意思決定をしやすくなります。一般にロジカル・シンキング(論理思考)と呼ばれる思考法の多くも、この構造化の手法と相通じるものがあるように思えます。




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