2019年12月02日

Posted by goodbooks
at 22:47

中央大学

未然防止型QCストーリー(中央大学 中条武志氏)

「こんなにやさしい未然防止型QCストーリー」
中条武志氏(著)/日科技連出版社/111ページ

著者は、中央大学の中条武志氏です。QCストーリーというQCサークルで取り組む活動の指針において「未然防止型QCストーリー」というものに対して説明された本になります。

QCストーリーという言葉自体、あまりよく知らなかったのですが、未然防止というキーワードに惹かれて手に取りました。内容はQCサークルの活動として未然防止の課題をテーマに挙げて、チームで活動に取り組む際の具体的な進め方をいくつかのステップに分けて体系的に紹介されています。

QCサークルというのは起きている不良などの原因を分析して製造現場を改善するためのものという印象があったのですが、この本でいう未然防止型QCストーリーは、そのような話ではなく、製造現場を離れて、何か起きるかもしれない問題をあらかじめ取り上げて、その未然防止のために業務を改善するということに主眼が置かれています。

活動の進め方は、テーマの選定、現状の把握と目標の設定、活動計画の策定、改善機会の発見、対策の共有と水平展開、効果の確認、標準化と管理の定着、反省と今後の課題という流れになります。この進め方はとても面白いのですが、QCサークルに取り組んだ人の経験や知識がないと、素人がいきなり取り組むのは難しいかもしれません。効果の確認というステップは案外現場では難しいかもしれないと思います。起こりそうな問題が、この活動の前後でどの程度起きなくなったのかを計るのは難しいなと思いますので、うまいやり方を考えないといけませんね。

従来のQC活動に閉塞感を感じている現場においては画期的な取り組みになるのではないかと感じます。そもそも派遣か正社員の区別がある現場では、QCサークルは職場の構造的な問題もありそうですが・・・。未然防止型QCストーリーがそのような職場構造の問題も気にならないぐらい広がればいいですね。




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